これで尿酸値を下げる!
薬の服用で注意すること
あせらず,決められた通りに,根気よく服薬する
薬を勝手にやめない
飲み始めには痛風発作の再発がよく見られます。慢性的に高い状態にあった尿酸値が急低下したときに,白血球が尿酸塩結晶を攻撃するためです。しかし服薬は,ここで勝手に中止せず続けることが大事です。
徐々に量を増やす
前述の通り,薬の飲み始めには痛風リスクが上がります。3〜6カ月かけて徐々に用量を増やし,ゆっくりと尿酸値を下げます。
決められた通りに飲む
服薬をやめるとすぐに高尿酸血症の状態に戻ってしまいます。自分の判断で服薬をやめたり量を減らしたりせず,決められた量を根気よく飲み続けることが大事です。
尿路結石を予防する
尿酸排泄促進薬を使っている間は,尿中での尿酸の量が増えるので尿路結石のリスクが高まります。その予防のために,尿アルカリ化薬の服用を勧められることがあります。また,水やお茶をたくさん飲んで尿酸を尿として排泄しやすくすることも有効です。
医師と二人三脚で治療を進める
副作用に気づいたらすぐに知らせる
どんな薬でも副作用はつきものですが,胃腸の調子が悪い,発疹が出た,食欲がない,体がだるい,皮膚や白目が黄色くなったなどなんらかの症状を感じたら,すぐに医師に相談しましょう。
定期的に検査を受ける
服薬期間中は薬の効果や副作用をチェックするため,血液検査で尿酸値の推移や肝機能を診ます。根気よく通院しましょう。
他に飲んでいる薬を知らせる
尿酸降下薬は,併用薬の作用を強め危険をもたらす場合もあります。尿酸を下げる治療を始める前に,お薬手帳などを準備し現在飲んでいる薬を医師に伝えられるようにしておきましょう。
薬は,お酒やグルメを楽しむために使うものではありません。尿酸値を下げるためには,食べ過ぎをやめる,軽い運動を続けるなど生活習慣を改善することが第一です。やむなく薬を使って尿酸値を下げることになったら,医師の指示に従い,医学的根拠に基づく治療に根気よく取り組んでください。
公益財団法人痛風財団 理事長
(株)スタージェン 会長
鎌谷 直之