今年も花粉がやってきた...
雪解け、花のつぼみ、つくしんぼ、春一番...心がはずむ季節の訪れ。特別なことがあるわけじゃないのに、なぜかウキウキしてきます。でも都会では、そんな春の風物詩を肌で感じられる機会は少なくなってきました。最近は、くしゃみ、鼻水、目のかゆみで春を知る人も多いのではないでしょうか。そう、花粉症です。
春、眼科や耳鼻科の待合室は、どこも花粉症の患者さんでいっぱいです。なぜこんなに花粉症が増えたのか? その答えはよくわかっていません。戦後に植林されたスギが成長して花粉を飛ばすようになったから、住まいの窓がアルミサッシになりカーペットの部屋が増えたことで花粉が家に閉じこもりやすくなったから、自動車の排気ガスとの関連、栄養状態がよくなってかえってアレルギーが起きやすくなっている可能性、などが指摘されています。
ふつう花粉症というと、2~4月に猛威をふるうスギ花粉を思い浮かべますが、スギ以外にも、ヒノキ(シーズンは春から初夏)、カモガヤなどのイネ科の植物(おもに夏)、ブタクサ(秋)なども原因となります。これらに共通しているのは、花があまりきれいではなく、香りも強くないということです。きれいな花には虫が近づき花粉を運んでくれますが、虫を呼ばない植物は、風に乗せて花粉を運び受粉しているのです。
花粉症による結膜炎は、抗アレルギー薬の点眼、症状がひどい場合はステロイド薬の点眼で治療します。結膜炎以外に鼻炎などが強ければ、点鼻薬、内服薬を使用することになります。もちろん、できるだけ花粉にさらされない工夫、例えば眼鏡やマスクの着用、帰宅時に衣服をはたく、部屋を加湿する、なども効果があります。また、寝不足だと症状が強く感じられることが多いので、睡眠を十分とりましょう。なお、眼科と耳鼻科両方にかかる場合は、使用している薬を必ず医師に伝えてください。