激痛!痛風を予防する
痛風の治療・予防のコツ
痛風発作の痛みを抑えてから高尿酸血症の治療へ
痛風発作が起こってしまったら,尿酸値を下げる尿酸降下薬は使わず痛風発作治療薬で患部の痛みや腫れを取り除きます※。発作が治まったら痛風の原因である高尿酸血症に対する治療を始めます。生活習慣を改善しつつ尿酸降下薬を少量から使い始め,徐々に尿酸値を下げていきます。この時,尿酸が尿路で結晶化して石になるのを防ぐ尿アルカリ化薬を併用することもあります。生活習慣の改善は治療の基本ですので,薬物治療で尿酸値が下がったからといって怠ってはいけません。
※既に尿酸降下薬を飲んでいて痛風発作が起こった場合,お薬はやめずそのまま飲み続けてください。
生活習慣の改善が最も大切な痛風予防法です
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食べ過ぎに注意
摂取エネルギー(カロリー)を抑えて肥満を解消するだけで尿酸値は下がります。肉や魚の内臓や干物にはプリン体が多いので,食べ過ぎないようにしましょう。
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お酒は適量に
アルコール自体に尿酸値を上げる作用があります。プリン体カットビールだからといって飲み過ぎてはいけません。日本酒なら1合,ビールなら500mL,ウイスキーなら60mLまでにしましょう。
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水を2リットル以上飲む
たくさんの尿で尿酸を排泄するため,水やお茶を1日2リットル以上飲みましょう。砂糖を多く含む清涼飲料水は逆に尿酸値を上げてしまうので飲み過ぎに注意しましょう。
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ストレス解消を
ストレスは尿酸値を上昇させる危険因子です。人と話したり身体を動かしたり趣味に没頭したり,あなたに合った方法でストレスを解消しましょう。
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適度な運動を
100メートルダッシュやベンチプレス100キロなど,息をこらえて行う無酸素運動は尿酸値上昇の原因になり得ます。話しながらでもできるような有酸素運動で肥満やストレスを解消しましょう。
今回は痛風について,発症のメカニズムから経過と治療内容,予防のための生活習慣まで解説しました。
尿酸値が高い状態が続くとさまざまな症状が現れます。適正な尿酸値を維持することの大切さを理解いただき,治療と予防にお役立ていただければ幸いです。
公益財団法人痛風財団 理事長
(株)スタージェン 会長
鎌谷 直之