眼鏡とコンタクトレンズ
近視の人にとって眼鏡は本当にありがたいもので、初めて眼鏡をかけたとき、物がはっきり見えることにちょっとした感動を覚えた方も少なくないでしょう。眼鏡は手軽にすばらしい効果が得られ、世界中でたくさん使われている"役立ち度No.1の医療器具"といえるかもしれません。
眼鏡の歴史をひも解いてみると、12、13世紀、ヨーロッパや中国ではすでに使われていたようで、書物や絵画の中に登場します。日本史に初めて登場するのは、1551年フランシスコ・ザビエルが中国・九州地方の大名、大内義隆に献上した眼鏡で、現存するものでは久能山東照宮に保存されている徳川家康の遺品といわれるものが最古とされています。テレビの時代劇を見ていると、たまに眼鏡をかけた善人風の人が出てきますが、実際に江戸時代中期以降は「めがね」という言葉が一般に定着するほど、よく知られた存在だったようです。
現在、眼鏡は視力矯正用としてだけでなく、ファッションアイテムとして幅広く利用されています。反面、視力が悪いのに容姿を気にして眼鏡をかけたがらない人もいます。その点コンタクトレンズは、外観から装着していることがわからず、美容上の問題にはなりません。また、眼鏡では矯正できない強い近視や不正乱視(角膜の不規則な凹凸による乱視)、円錐角膜なども矯正できます。左右の視力差が大きい不同視で、眼鏡ではひどい眼精疲労が起きるような場合にもコンタクトレンズが有効です。しかし、装着感が問題となったり、ドライアイや神経質な人では使用できない、手入れが大変、角膜を痛める危険性がある、というマイナスの面もあります。
光学的な視力矯正を優先に考えればコンタクトレンズ、扱いやすさや眼球の生理的なことを考慮するなら眼鏡のほうがよいといえるでしょう。
※コンタクトレンズについて詳しくは、「目と健康シリーズ」の№30をご覧ください。